主食:舞台

フリーライターが語る舞台のこととか、散文とか。

エンタメは偉大だーRADIOFISH NIRVANA 2019ー

先日の記事で少しだけ触れた、RADIOFISHのNIRVANA2019。

先日遅ればせながら、DVDを見ることができた。

Zepp DiverCityというとてつもない”夢”

ご存知でない方もいるかもしれないので、一応説明しておきますと、RADIOFISH(レディオフィッシュ)は、オリエンタルラジオのお二人と、ダンサー4人(以下敬称略:Show-hey,SHiN,FISHBOY,RIHITO)で構成されたダンスボーカルユニット。
「PERFECT HUMAN」が大ブレイクした事でも有名です。

そんな彼らが2019年10月にZepp DiverCityで単独ライブをやったんですよ。
そう。Zeppで。

ちなみにキャパは、1階2階合わせて約2473名。

私は現地参戦していたのですが、フロアはほぼほぼお客さんで埋め尽くされていました。

MCで中田さんは「どうしてもZeppを埋めたかった」と言っていたのですが、本業がアーティストでない彼らがZeppを埋めるというのは、やはり並々ならぬ努力と思いがあったんだと思います。
以前聞いた話では実際、ひどい事も言われていたそうです。

そのとてつもない”夢”を彼らはきちんと叶えることができたんです。

カメラワークが神。

とにかく、カメラワークが素晴らしかった。
まず、冒頭のSPACE MANでの御神体(中田さんの事をそう呼びます)が、セットの2階部分に登場するんですが、その時、カメラはスモークをかき分けて歩く御神体の足元を映してるんですよね。

もー無駄にかっこいい。(褒めてます)

ライブを映像で見ることの醍醐味って、絶対こういう所にあると思ってて、Show-heyさんの演出をさらに相乗効果で素晴らしいものにしてるんですよね。

そして、そんな相乗効果がさらに凄かったのが神様Disco。
御神体の台詞パートが歌に挟まるのですが、地球を創造したのが御神体というもう訳の分からないスケールの台詞になってるんですよね。

そのせいなのか台詞パートの終盤で、レーザーか何かライトセイバーの様なものを持っているんですが、もの凄く縦長のそれが全て映るように、真横から映しているんですよ。

そのおかげで、その部分だけ凄い神秘的なというか、大変SFチックなシーンになっていました。

ダンスの変態

皆さんご存知の通り、中田敦彦さんという人って大変自由というか、個性的というか、既成概念にとらわれてないですよね。

そんな彼の弟であるFISHBOYさんもなかなかのモノを持ってらっしゃる。

ライブのMC中、神様Discoの振り付けの話になり、途中に阿波踊りの様な振り付けがあるんですが、それがFISHBOYさん発案。(実際に振り付けにしたのはShow-heyさん)

常に踊っていたいと思うほどのダンスジャンキー(これもMCから)なFISHBOYさん、様々なダンスを経て"盆踊り"に行き着きます。

そしてまさかのプライベートで"盆踊り大会全国行脚"。

街の盆踊り大会の様なものにも参加していたようで、そのあまりの貪欲さについには"ダンスの変態"と言われていました。

なんというか……あの兄にしてこの弟ありだなって、ひしひしと感じましたね。

エンタメは必需品

ライブ中、衣装替えのため、1人繋ぎを任された御神体。(御神体は衣装替えなし)

しかしそこは流石のトークスキル。
観客を全く飽きさせず、淀みないトーク

そんなトーク中、話は2011年の震災時の話へ。
あの時、自分たちは何の役にも立たないんじゃないかと思っていたけれど、いざ被災地に行くと、「あなたたちを待っていた」と大歓迎。

ちなみに当時は藤森さんのチャラ男ブームで、子どもたちが「チャラ男チャラ男」と懐いていたそうです。

それを踏まえて御神体がいきついたのは『エンタメは必需品』だという事。

イベント自粛が叫ばれているこのご時世、偶然にもこの言葉を聞いて思いました。
確かに間違いなく、エンタメは必需品であると。

もちろん世の中にはエンタメがなくても生きていける人はいるかもしれません。
でも、やっぱり人生には感情を動かされる瞬間であったり、何かを受け取ってそれについて考えるという事が必要だと私は思います。

結局RADIOFISHって何なのか

RADIOFISHは、最初に説明した通り、お笑い芸人であるオリエンタルラジオのお2人と4人のダンサーで構成されたユニットです。

世間に広く知られるきっかけになったPERFECT HUMANについては「これはお笑いなのか?」「つまらない」などという意見もあり、”RADIOFISH”は何なのかという話もありました。

私が思うに、RADIOFISHはカテゴライズするべきじゃないです。

昔から既存のカテゴリに収まりきらない様なものを好きだったせいもあるのか、カテゴライズすることにそんな重きを置いてないんです。

だから、RADIOFISHはRADIOFISHというカテゴリで、ジャンルでいいと思うんです。
たまたまそれをやっているのが、お笑い芸人とダンサーなだけ。

そして、彼らは持ちうる全ての武器を使って、私たちを楽しませてくれる。

演者が楽しんでいると、やっぱりそれって観客側に伝わってくるんですよね。


DVDを見終わった後、「ああ、ライブってやっぱりいいな」と月並みですが、思いました。
このご時世、無謀な事は言いません。
ただ、エンターテイメントというものは無くてはならない、やっぱり偉大なものだと改めて感じたライブDVDでした。