主食:舞台

フリーライターが語る舞台のこととか、散文とか。

脱完璧主義でいこうー書くのがしんどいー

私は比較的なずぼらな人間です。

いきなり何を、と思われるかもしれません。
勤勉ではありませんし、スキンケアとかも最低限の事しかしてないです。

しかし、この『書くのがしんどい』という本を読んで、自分がある部分においては実は『完璧主義』なんだという事に気づきました。

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それは、『文章を書く』という事です。

文章が全然進まない

どこを切り取ってもずぼらでしかない人間が、そんな事に気づいたのはこの部分を読んだ時です。

ネタもある。書きたいこともある。
でも、なぜか書けない。
そういう人は、いきなり「完ぺき」を目指そうとしている可能性があります。(書くのがしんどい-CHAPTER1より)

読んだ瞬間、思い当たる節がありすぎてそわっとしました。

そして、こうも書いてありました。

一気にバーッと書いて最後まで行ってしまうこと。
そしてまた、最初に戻ってバーッと書き直していく。
漆塗りのようにスタートからゴールまでを何度も重ねて書き直していくのです。(書くのがしんどい-CHAPTER1より)
いくらでもあとから修正できるのだから、とにかく「最後まで終わらせる」ことを優先させる。いきなり完成品をつくろうとしなければ、変に力が入らなくてスイスイ進みます。(書くのがしんどい-CHAPTER5より)

記事を書く際、整合性やバランスを気にしてしまい、何度も後戻りしてしまうのが常な私。

1つの記事に半日以上かかる事もザラです。

しかしこれを読んで、はたと気づいたのです。
私が文章を完成させるのが遅い理由、それは最初から『完成品』を目指していたからだ、と。

そして、『とにかく書き上げる』という考え方に目から鱗が落ちました。
乱雑でもいいから、矛盾していてもいいから、とにかく書き上げる。
完成してから直せばいいんだ、と思った瞬間、自分は『文章を書く』という事だけは『完璧主義』だったんだと気づく事が出来ました。

趣味で文章を書く事もしていたのですが、確かにその時も読み返しては進み、読み返しては進みを繰り返していた記憶があります。

なんでもいいと言ったら乱暴かもしれませんが、細かい事は気にせず『とにかく最後まで書き上げる』事が大切なんだという事をこの本は教えてくれました。

自分の『編集者』になるということ

さて。そんな感じでとにかく書いた文章には添削が必要です。
その時は『編集者』になって自分の文章を厳しい目線でチェックします。

当然、突っ走って書いてますから矛盾等々はありますよね。
同じこと何回も言ってるかもしれないですし。

添削する時に重要なポイントは3つ。

・ひとつの文で複数の事を伝えようとしない
・シンプルに伝える
・固有名詞はなるべく使う

特に1つ目と2つ目は割と陥りがちな現象かと思います。
例えば、これはツイートした後にしくじった事に気づきました。

「ファッションへの興味は小学生がピークだったアラサー。
ただ、ララビギンだけは女性誌だけどモノ雑誌っぽいのが好きで買ってます」

こんな感じにするべきでしたね・・・。
多分、皆さんもご自身のツイートとか覗いてみるとこういう現象結構あると思います。
1つ目と2つ目は特に意識して気を付ける事が大切ですね。

3つ目に関してはこんな事が書いてあり、思わず笑ってしまいました。

割引券と書かずに「日高屋のもりもりサービス券」と書いたほうが絶対におもしろい。(書くのがしんどい-CHAPTER4より)

確かに固有名詞を出すのって気が引ける事もありますが、多くの場合は『読んでもらう』為に文章を書いている訳ですから、固有名詞は出すべきですよね。
それに「もりもりサービス券」の様に語感が面白いものなら尚更です。

主観≠自分が読んで面白いもの

自分の編集者視点としてもう一つ大きなポイントは『自分が読者として読んで面白いか』です。

「自分が読者だった場合、それを本当に読みたいか?」をつねに考えることです。(書くのがしんどい-CHAPTER3より)

最初読んでいる時は、主観=自分が読んで面白いものじゃないの?と若干頭が混乱していました。
ですが、メモを起こしている最中に主観≠自分が読んで面白いものだという事に気づきました。

主観というのは、あくまでも自分の考えであって、ここで言う『読者』というのは『客観的』な視点。

客観的に見て、面白いと思うか?という事なんですよね。

ちなみに、本書の中では「食べたくない料理を作るシェフ」にはならない。という例え方もされています。

他にも『好奇心旺盛な人ほど陥りやすい現象』や『サビを作る』など『SNS社会におけるライティング』について勉強になる事はまだまだたくさんありました。

しかし、全てをここに載せてしまうと途轍もない長さになってしまうので、特に響いた部分をご紹介しました。

ビジネス書ではありますが、趣味で文章を書いているけど思う様にできない・・・という人にもおすすめの1冊です。
なかなかのボリューム感ですが、サラサラと内容が頭に入ってきますので、是非一度読んでみてはいかがでしょうか。