主食:舞台

フリーライターが語る舞台のこととか、散文とか。

一周忌によせて

※本記事は、昨年亡くなった滝口幸広さんについての記事です。
当時の自身の気持ちなどを振り返る記事となりますので、閲覧にはご注意ください。

早いもので、あの日から1年が経ちました。(お知らせがあったのは11月15日ですが、命日は11月13日)
1年経ってもまだ彼がいなくなってしまった事が信じられないのですが、気持ちの整理をつける余裕は出来た気がするので、振り返ろうと思います。


2019年11月15日早朝。
スマホに入っていた滝口さんのブログの更新通知。
滝口さんはほぼ毎日ブログを更新していましたが、大体が21時~23時頃で、前日の夜中に更新された通知を見るのは珍しい事でした。
何気なくブログを開いた後、私はそこに書いてある内容が全く理解できませんでした。

しかしその後、近しい俳優さんたちのツイートを見ていくうちにだんだん実感が湧いてきて、涙が溢れ、食事も喉を通らず、ベッドで転げまわりました。

結局家を出る時間になっても涙が止まらず、私は会社に休みの連絡をいれました。
今までで初めての経験です。
そして、友人と号泣しながら通話。
友人は滝口さんの大ファンで、私よりもずっと辛かったと思います。
友人はその年の3月に遠方に引っ越してしまったのですが、以前は近くに住んでいたので、引っ越していなかったら抱き合って泣いていた事でしょう。

その日テレビで取り上げられていた事も、Twitterでトレンド入りした事も知っています。
しかし、私は感受性が強いのと、ワイドショーの類があまり得意ではなかった為、当時の関連ニュースは一切見ていません。
今も当然調べる気はありませんので、詳しい事は知りません。

この一年を過ごしてきて、何度も彼の姿が過る事がありました。

料理が得意なので外出自粛期間中は毎日料理のレシピをブログに載せてくれただろうな。

もし自分の立つ舞台が中止になったら、自分の事よりもお客さんの事を考えて心を痛めただろうな。

そんな風にふと、もし彼がいたら……と考える事が多くありました。

半年ぐらい経った頃に、ようやく持ち直してきたかなという感じです。

最近だと、出演していたエーステ(舞台A3!)のライブ公演のグッズで滝口さんが演じていた雄三というキャラのアクリルスタンドが発売されたり、劇中で音声が流れたという話も聞きました。

私が滝口さんに出会ったきっかけでもある、る・ひまわりさんの祭シリーズの最新作『忠臣蔵 討入・る祭』では、偶然かもしれませんが、W座長のうちの1人、平野良さんが演じる役が10年前の『大江戸鍋祭』で滝口さんが演じた寺坂吉右衛門という役です。

たくさんの人に愛された方だったので、きっと忘れられる事はないでしょう。
それでも私は可能な限り、毎年この日は欠かさずに記事を書いていこうと思っています。
こんなにも素晴らしい俳優さんがいたんだよ、という事を書き記していきたい。

そう思います。